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Seminer

新たな治療の選択肢、「統合療法」に注目!

NPO法人がんコントロール協会が主催する「第29回 統合療法コンベンション」が、去る11月4日、5日の2日間東京・錦糸町にあるすみだ産業会館で開催されました。滅多に聴けない講演とあって会場、ライブ配信とも数多くの参加があり、講演後の質疑応答も活発に繰り広げられました。今号では、先生方の講演内容をダイジェストで振り返ります。

自然治癒力と死後世界

コンベンションの初日は、帯津三敬病院・帯津良一名誉院長、こもれびの診療所・加藤直哉院長、食政策センター・ビジョン21代表の安田節子先生、市民人権擁護の会日本支部代表世話人の米田倫康先生、あさひ内科クリニックの新井圭輔院長が順に講演しました。

心と体、命に働きかけるホリスティック医学を日本に導入した帯津先生は、外科医時代「手術や術後管理をしても再発が減らない。命を診ない西洋医学に限界を感じた」のを機に、中国医学や漢方、ヨーロッパのホメオパシーやヒーリングなどに傾倒します。60代以降は「自然治癒力を上げ、医療と養生、生と死を統合してあの世へ行く」考え方が、今後注目されていくとの持論を展開しました。

人の死後の世界を科学的に立証し、医学的に活用しているのが加藤直哉先生です。日本で数少ない死生学の学位(博士号)を持ち、200の臨死体験、世界の医師、博士の研究をもとに科学的な根拠に基づいた死後世界を解説しました。死後世界の研究に共通するのは「死後、人は光りに包まれた愛の世界に帰っていく。その光りの教えは愛すること、学ぶこと」にあると説き愛すること、知ることの大切さを強調しました。

有害食品や精神疾患が増大

日本人の食生活に警鐘を鳴らしたのは、安田節子先生です。「食べ物が劣化する日本」と題して、安全性評価が担保されていない食品、添加物、農薬、抗生物質を使用した魚肉など、有害物質を含んだ食品が出回る現状に危機感を募らせます。残留農薬が含まれる輸入小麦、新しい遺伝子組み換え食品と言われている、ゲノム編集食品も増えており「食生活を変えないと、有害な食品からは逃れられない」と訴えました。

近年、子どもの発達障害や若者の精神疾患が急増しています。米田倫康先生は「精神科患者600万人〜精神疾患・発達障害診断はなぜ急増したのか!」と題して、背景や理由に迫りました。精神疾患が、1999年の204万人と比べて3倍増になったことと「新型治療薬の承認と精神科、心療内科の医療施設が増えた」のは無関係ではなく、患者が減らないのは「治癒ではなく寛解がゴールで、症状抑制の投薬を続ける医療が問題」と、根本的解決に向けて方向転換すべきだと語りました。

科学的な理論と経験に基づく「理論医学」で「日々無事に過ごす」大切さを強調したのは新井圭輔先生です。死因の上位を占めるがん、心疾患、老衰に共通するのは「血管の老化。動脈硬化を治療すれば高血圧はほぼ100%治療できる」として症例を示し、理論医学的に解説しました。同様に「がんは過剰糖質の処理装置、インスリンは糖尿病合併症の元凶、ともに厳重な糖質制限が必須」との声に、頷く人も多く見られました。

ワクチン後遺症と老化を防ぐ

二日目は、初登場の福田内科クリニック・福田克彦副院長に始まり、ハタイクリニックの西脇俊二院長、からすま和田クリニック・和田洋巳院長、宗田マタニティクリニック・宗田哲男院長と、栄養の視点からNPO法人がんコントロール協会理事長の森山晃嗣が、それぞれ講演しました。

福田先生は、新型コロナウイルスや子宮頸がんなどのワクチン後遺症が増えていることに注目、とくに「新型コロナワクチンの接種回数が6回、7回と増えてから死亡例やターボがんが目立っている」として、ワクチンに頼らず、自然免疫や亜鉛・ビタミンDなどの栄養補給やラドン療法で「コロナに感染しにくい体をつくる」重要性をアピールしました。

がんは老化細胞が増える病気で、老化は生活習慣によって変わることを明らかにしたのは西脇俊二先生です。原因には、活性酸素、慢性炎症、ホルモン低下、幹細胞、遺伝子、有害金属などがあり、対策として「糖質制限や抗酸化物質の摂取、上質な睡眠、オートファジー、幹細胞培養の上澄み液やデトックス、NMNの補充」などが有効としています。

がんが住みにくい体にする

午後の部に登場した和田洋巳先生は、がんはどうしてできるのか、その対処方法としてアルカリ化療法を挙げ、症例に基づいた研究成果を公表しています。「炎症が慢性疾患の根本原因。食事をアルカリ化食にして体を浄化し、ビタミンC大量静脈投与、尿PH値を7.5から8にする」ことを推奨、がんが住みにくい体にする大切さを伝えました。

食事や栄養を見直すことで、がんはかなり防げます。正常分子栄養学を45年にわたって提唱してきた森山晃嗣理事長は「細胞にいのちの鎖栄養チームを過不足なく取り入れることで、人類は体験したことのない健康を手に入れることができる」と語ります。心と体の健康を育てるためにも、自分の内面を観る「気づき」が必要との認識を示しました。

締めくくりは、妊婦や赤ちゃんのケトン体に関する研究、症例で知られる宗田哲男先生です。「母子栄養は、健康体の原点」と題し、妊娠前や妊娠初期のタンパク質の摂取量が子どもの発達に影響を与えることを取り上げ、「タンパク質の摂取を増やす、鉄不足を解決する対策、糖質過多の比率を変えることで、母子ともにたんぱくリッチな生活が送れる」と総括しました。

Topics 2024年1月号PDF