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Seminer

パン生活から抜け出し、健康状態を改善。

Doctor's Column2022.4

都内に住む40代の女性・Mさんは、若い時からパンが好きで、20代の頃はOL生活(事務職)をしながら、週2~3回手づくりのパン教室に通い「つくる喜びと食べる喜び」を感じる生活を送っていました。

パンをつくる工程に興味があったMさんはある日、大手パンメーカーの店舗がオープンすることを知り転職を決意します。そして27歳の時、めでたくパンのお店に転職すると、ここからさらにパンを食べる機会が多くなりました。

お店の朝は早く、毎朝5時には仕事場に出かけたそうです。小麦粉を自分でこねて形を整え、実際に焼きあがるまでの全工程に関わりながら、味見をしたり、売れ残ったパンを持ち帰る生活は、Mさんには願ってもないものでした。

ところが勤めて一年ほどしてから、体に異変を感じるようになります。まず、パン粉をこねる両方の手首の内側が痒くなったり、手荒れが目立つようになりました。不思議なことに、同じような症状を持つ人は他に何人もいたそうです。さらに勤務して5~6年もすると、Mさんの手はかぶれたようになり、ほかに花粉症や慢性的な頭痛、生理痛、便秘などにも悩まされるようになります。いずれも転職前まではあまり経験したことはありませんでした。とくに頭痛と体のだるさが続いたので、Mさんは病院で診てもらいます。

血液検査やアレルギーチェックなどを行った結果、Mさんは穀類アレルギーであることがわかりました。食物アレルギーの一種で、おそらくパンなど精製された小麦粉を原料とする食品の摂りすぎや、糖質の多い食事が関係していたのではないかと考えられます。

その頃、Mさんは同居している母親が病気で人工透析を受けていたこともあり、介護が必要になります。妹さんと交代で行っていたものの「体調の悪さと、母親の病気と向き合う生活がストレスになり、精神的にも気分がすぐれない日が続いた」と打ち明けています。

でもMさん自身は、この段階で自分の不調が「パンの摂り過ぎ」と関係しているとは考えてもいません。仕事はそれからも継続し、Mさんは結局、10年間働いた末に、店が閉店となったのを機に退職します。

しかし精神的なストレスや体調の悪さは、それからもしばらく続きました。そこである日、通っていたヨガ教室の先生に相談したところ、ボタニック・ラボラトリーを紹介されます。

これをきっかけに正常分子栄養学を学びはじめ、体質転換を図っていくのです。通って1ヶ月もすると、Mさんはみるみる健康状態が良くなります。果たしてどんなことに取り組んだのか、その詳細については次号で紹介します。(つづく)

私の栄養スイッチ 2022年4月号PDF