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Seminer

がんと向き合う医療は、ここまで進化している

冬は気温も湿度もグッと下がる季節です。体への負担が大きく、免疫が揺らぎやすくなることで、感染症はもちろん、花粉症や鼻炎などのアレルギー症状も出やすくなります。今月は、冬になるとなぜ免疫がゆらぐのか、なぜアレルギーが悪化しやすいのか、そして今できる根本的な対策についてご紹介します。

1年半ぶり、31回目の開催へ

統合療法コンベンションは、国内外の統合医療に関わる医師や専門家が一堂に会する、国内最大級の統合療法に関する学術集会です。がんをはじめ、難病、そしてアレルギー、糖尿病、不妊症、精神疾患などの現代病に対し、最新の治療法や予防法を発信してきました。

このコンベンションを主催するNPO法人がんコントロール協会は、故フランク・コウジノウ氏が理事長を務めていた米国がんコントロール協会(Cancer ControlSociety)の日本支部として、1994年に設立されました。以来、ほぼ毎年開催され、今回で31回目。1年半ぶりとなる今回は、改めて「がん」を中心テーマに、統合医療の最前線が語られます。

国内外で活躍する医師が集結

今回の統合療法コンベンションには、国内外から第一線で活躍する3名の医師が登壇します。国内からは、西脇俊二医師(東京・ハタイクリニック院長)が登壇し、がんの臨床現場に焦点を当て、「治らない」を前提としない最先端の治療アプローチについて語ります。また、内科医として幅広い統合医療を実践する福田克彦医師(島根・福田内科クリニック副院長)は、「がん統合医療のパラダイムシフト」をテーマに講演予定です。 

今回最大の注目は、統合医療の世界的権威、アントニオ・ヒメネス医学博士の来日講演。世界の統合医療の最前線で培われた知見を、日本で直接聞ける貴重な機会となります。さらに、長年にわたり統合医療の普及と啓発に努めてきたNPO法人がんコントロール協会の森山晃嗣理事長も登壇し、統合医療の現在地と今後の展望を伝えます。

なぜ今、統合医療が必要なのか

「統合医療」と聞くと、少し難しそうな印象を持つかもしれません。しかし、その考え方は、私たちの生活に意外と身近なものです。統合中とする現代医療(西洋医学)だけに頼るのではなく、鍼灸や漢方といった東洋医学、さらに食事や生活習慣の見直し、心のケアなどの補完・代替医療を組み合わせ、患者一人ひとりに最適な治療とケアを提供する医療のあり方です。病気だけを見るのではなく、心・体・生活背景を含めた「全体」を診ることで、治療効果の向上だけでなく、QOL(生活の質)の改善や予防にも力を入れます。

日本ではまだ十分に知られていませんが、世界の医療の最前線では、この10年で「がん」に対する考え方が大きく変わり、統合医療の視点を抜きにして語ることはできなくなっています。

がんの鍵を握る「心・感情」

中でも特に重要視されているのが、病気の発症や経過を左右する「免疫」と、「心・感情」の関係です。近年の研究により、感情を司る脳と体の免疫システムが、神経やホルモン、腸内細菌などを通して、常に情報交換を行っていることが明らかになってきました。

心と体がつながっているという考え方は、決して新しいものではありません。インドのアーユルヴェーダや日本の漢方、禅など、古くからの医療や健康法では、「心・体・感情」を切り離さずに捉えてきました。そして現代科学は、その知恵を裏付けています。1970年代の研究では、ストレスが腫瘍の成長に影響することが確認され、1990年代以降は、前向きな心理状態ががん治療の経過や回復に関係することも示されてきました。

「こうした伝統的な知恵と現代科学をどう融合させるか。それこそが、これからのがん治療を支える土台になる」そう語るのが、ヒメネス医学博士です。

世界最前線のがん統合医療

ヒメネス医学博士が率いるホープ・フォー・キャンサーは、世界でも有数の統合医療クリニックとして知られています。訪れる患者の多くは、ステージⅣと診断された難治性の高いがん患者で、通常医療では治療の選択肢がないと告げられたケースも少なくありません。そうした患者の回復例が数多く報告されていることが、世界中から注目を集める理由の一つです。

今回の統合療法コンベンションでは、ホープ・フォー・キャンサーで実践されている治療アプローチをはじめ、「がんと心、感情」をテーマにした、他では聞くことのできない貴重な講演が予定されています。

がんとどう向き合うのか。医療を「受け身」で終わらせるのではなく、自分自身の生き方として捉え直す。そのヒントが、このコンベンションには詰まっています。

Topics 2026年3月号PDF