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Seminer

ボタラボ特別セミナーリポート [PART2] がん治療は、栄養と心両面のケアが大切。

ボタラヴィ20年2月Topics

本誌では、2019年12月4日に行われたボタニック・ラボラトリー主催「特別セミナー」の内容を、前号と今号の2回にわたってお届けしています。今回は、統合医療の世界的権威トニー先生と、オーストラリア出身のオリビア・レスラー医師、ボタニック・ラボラトリー代表の森山晃嗣によるコラボセッションの様子などを中心にダイジェストします。

感情的な側面をケア

前号で紹介した統合医療の権威で、アメリカやヨーロッパ、日本を含むアジアなど世界を舞台に活躍するアントニオ・ヒメネス(通称トニー)医師は、がん治療においてもっとも大切なのは「感情的な側面をいかにケアするか」だと表現します。患者の多くは治療することに集中しすぎて「感情の起伏やストレスといかに向き合うかを見落としやすい」ことをその理由に掲げています。
オーストラリア出身のオリビア・レスラー医師もその考えに同調します。オリビア医師は、脳神経や免疫学、アトピー性皮膚炎が専門で、アメリカのニューヨークやイギリスのロンドン、アジアなどを拠点に活躍しています。自身の患者を紹介したのを機にトニー医師との交流が深まり、今回タイのバンコクに滞在していたトニー医師から誘いを受け、シンガポールから合流し、セミナーに参加しました。

自分の直感を信じる

オリビア医師は、トニー先生の指摘に続いて「うつ状態になると免疫が低下し、がんが進行する可能性がある」ことを強く訴えます。その上である医師の調査で、1500人のがん患者の状態が改善した9つの理由について言及。9つのうち「7つは精神的なもの」として、精神面をケアすることがいかに重要かをアピールしました。
特に大切なのは、自分の直感に従う、(がんを)自分のコントロール下に置く、食事を劇的に変える、心の奥底にある感情を解放する、周りの助けを受け入れる、生きる目的を持つ、などでそれら一つひとつについて説明しました。
治療にあたっては「メディアや周りの意見に左右されることなく、自分自身を信じること」だとして、まずポジティブな感情を増やすことの必要性を強調しました。

食事を変える、が第一歩

オリビア医師の講演に続き、トニー医師、森山代表の3人による「医療と栄養のコラボセッション」が行われ、参加者からの質問を交えた活発なトークが展開されました。その中で関心を集めたのは、がん治療において栄養や食事がいかに基本になっているかでした。
トニー医師は「糖質制限は必要か?」との会場からの問いかけに「精製された糖、加工された糖、合成された糖はNG。穀類はなるべく少なく、グルテン、乳製品は避ける。
野菜や果物に含まれる糖分は自然なもので分子構造が違うため、がんの餌にはならない。自然なものと人工的なものは区別した方がいい」と訴えました。
加えて「がんはしぶとい。糖質が少なくなればタンパク質や脂肪も餌にする。同じメニューではなく、内容を変えることが重要」として、必要に応じて食事内容を見直すことも勧めています。

人生の目的が重要

ステージ4の患者さんから「ビタミン」の摂取量についての質問が出ると、正常分子栄養学の視点から森山代表が「ビタミンDはほとんどの日本人が足りていない。がんの人はサプリメントを活用してでもたくさん摂取すべき」と強調しました。
同じくオリビア医師も、ビタミンDの重要性を説き「Dは質が重要で、最も良いのは太陽の光を浴びて、自分の体でつくったもの」だと語りかけました。
がん治療には「何のために生きるか」といった人生の目的も重要で、トニー医師は「脳は、本能的に生存本能があり、目標がないとブレイクスルーできない」、同じく森山代表は「自分自身を観察し、知ることに取り組むべき」、オリビア医師は「自分を否定したり、責める気持ちになるのではなく、自分を認めること」をそれぞれ訴え、高い関心を集めていました。
ボタニック・ラボラトリーでは、今後もトニー医師やオリビア医師によるセミナーを実施する方針で、4月にはオリビア医師による「アレルギー・アトピー」のセミナーを予定しています。今回聞き逃した人はぜひ、ご来場ください。

Topics 2020年2月号PDF