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Seminer

心とカラダと栄養がいのち。沖縄発、がん統合療法! 統合療法コンベンションin 沖縄

ボタラヴィ20年5月Topics

ゴーヤ、もずく、シークァーサー、ハーブ、砂浴、島野菜…。自然の恵みが息づく沖縄で、去る3月14、15の両日初の「統合療法コンベンション」(主催/NPO法人がんコントロール協会)が開催されました。本誌では、その内容をダイジェストリポートします。

沖縄の人たちの強い要望

NPO法人がんコントロール協会が主催する「統合療法コンベンション」は、統合医療を学ぶ日本最大級のイベントです。東京、京都、福岡などに続き、今年から新たに沖縄も加わりました。
新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれる中、会場の沖縄コンベンションセンターには、朝から一般客や医療関係者などが数多く集まり、熱気に包まれました。
沖縄初の開催となったのは、ボタニック・ラボラトリーの関連法人「一般社団法人健康指導師会」が、昨年東京で行った認定研修がきっかけです。地元、沖縄から研修に参加した健康指導師の一人から「沖縄でもぜひ、開催して欲しい」との強い要望を受け、関係スタッフ、ボランティアが共感、尽力して実現したものです。
「非」常識な生き方がいい!

あいさつに立った森山晃嗣理事長は、冒頭そのことに触れ「沖縄の健康指導師は、がんの統合医療を知って衝撃を受けられた。コンベンション開催を機に、健康指導師さんを通してネットワークを広げ、沖縄の人たちにぜひ統合医療の最先端情報にふれていただき、治療や生き方の選択に役立ててほしい」とアピールしました。
引き続いて森山理事長は、最初の演者をつとめ「健康長寿に生きる!いのちの鎖栄養チームの可能性」と題して、正常分子栄養学の視点から、健康長寿やがんの統合療法としての栄養の重要性に言及しました。
ボタニック・ラボラトリーでは、がん統合療法の一つとしてゲルソン療法を推奨しています。2番目に登壇したのは、そのゲルソン療法を学ぶために単身渡米、日本人最年少でゲルソン療法の医師向けトレーニングに参加した大場修治医師です。大場医師は、自然治癒力を高めてがんに負けない体づくりを提唱する内科医でもあります。
「沖縄にはゴーヤ、もずく、シークァーサー、バナナ、ハーブ、さまざまな葉物野菜、砂浴や海水浴、琉球温熱などがんの療養に最適な環境が揃っている」として、健康づくりは食事、サプリメント、デトックス(解毒)、メンタル、スピリチュアルなど様々な観点から取り組む必要があると訴えます。
特にがんは「普通の治療(標準治療)では普通の結果しか生まれない。非常識(統合療法)な生き方、考え方は非常識な結果につながる」と、統合療法の世界最先端を行くメキシコ・ティファナの施設を引き合いに、常識に囚われない考え方、生き方を選択し、心と体と精神の改善に努める重要性を伝えました。
卵子を元気にする栄養とは?

心と体と精神の改善は、新たないのち(細胞)の再生にもつながります。3番目に登壇した石間友明医師は、新たな生命誕生の鍵を握る不妊治療について講演。産婦人科医として、薬物療法だけに頼らない総合的な不妊治療で多くの実績をあげている石間医師は、妊娠を促進するには、まず「元気な卵子を育てること」だと説きます。
とくに「29歳以下の女性の約半数近くには、卵子の老化が見られ、発育不全や流産、ハイリスク出産につながりやすい」ことを問題視。理由として「身体の細胞が酸化ストレス、糖化ストレスに侵されている」ことを挙げ、生活習慣や糖質に偏った食事を見直し、抗酸化作用のある食事、栄養、アンチエイジングやビタミン、ミネラル補充をする重要性を訴えます。
ボタニック・ラボラトリーで展開する「妊活セミナー」と共通する部分も多く、注目すべき栄養として「亜鉛とビタミンD」を挙げ、海産物の摂取や散歩などで紫外線にあたることを勧めました。

温熱療法や免疫療法にも注目

午後の部では、「がん統合医療の現状報告」として、那覇・新都心にクリニックを開業するがん統合医療専門医の野原正史医師が登場。沖縄で数少ない統合療法に取り組む医師として、超高濃度なビタミンC療法、精神免疫療法であるサイモント療法、カウンセリングや催眠療法など様々な治療法を紹介しました。
注目は、温熱療法の局所療法で、高周波のラジオ波を使った加湿装置「ハイパーサーミア」です。「膵臓がんや胃がん、あるいは免疫活性効果で自然治癒した患者さんの8~9割は、42.5度以上の高熱でがんにダメージを与えられている」との報告を示し、温熱療法の有用性に触れています。
ボタラボでも温熱療法に取り組んでおり、今後、統合療法の一つとして改めて注目されるところです。
講演のラストは、NPO法人がんコントロール協会の顧問で、総合内科専門医でもある秋山真一郎医師が締めくくりました。秋山医師は、がん治療は「免疫力をあげる治療と、免疫力を低下させる要因を抑制する治療を併用することが重要」として、とくにマグロやサーモンなどの大魚や、歯の治療に使われるアマルガムなどメチル水銀が免疫力を低下させる要因だとして、体内から取り除く治療などを訴え、高い関心を集めていました。
がんの治療法は、今や自分で選ぶ時代。自分の生き方や考え方に合った、方法を選択することが重要になってきています。
沖縄で報告された統合療法の考え方は、今年11月に開かれる東京、京都のがんコンベンションにも引き継がれていく予定です。

Topics 2020年5月号PDF