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Seminer

心と体の健康を乱す元凶は精製された「糖質」

ボタラヴィ20年6月Topics

新型コロナの感染者は、学校の休校や外出自粛などで徐々に少なくなってきていますが、一方で長期に及ぶ自粛疲れから心と体に変調をきたす人が増えているようです。「Stay Home」の呼びかけもあって、外出は極力控え、否応なく自宅や屋内で過ごす時間が多くなります。その結果、運動不足による代謝異常や筋力の低下を招き、外に出ないことから日光を浴びる機会も減りビタミンDが不足する人も出てきています。

時間や場所を選んで、ウォーキングやジョギングを楽しんだり、なかにはオンライン飲みでストレス発散する人もいますが、緊急事態宣言が発出されて以降、目立つのは食事や栄養の偏りです。みなさんの周りでも、お弁当やランチの宅配サービスやファーストフードの利用が増えているのではないでしょうか?

こうした食事には、糖質や精製された小麦粉中心のメニューが多く、ビタミンやミネラル、植物栄養物質と言った本来必要な栄養素が極端に少ないものが見受けられます。それゆえ、体に様々な悪影響をもたらします。

なかでも気を付けたいのは、糖質の過剰摂取による「低血糖症」です。低血糖症とは、血中の糖分、いわゆる血糖値が、正常な変動幅を超えて低いほうに傾き、それによる症状が現れた状態です。意識の混乱や集中力の散漫、手足の震え、けいれんのほか、精神的な落ち込み、ウツに近い症状など、心と体の両面にあらわれます。

一般的には糖分を補給すればおさまるように思われがちですが、実はそこに落とし穴があります。急激に血糖値が上がると、大量のインスリンが分泌されて血中の糖度を抑えます。その結果、再び低血糖状態に陥ります。つまり、糖質を過剰に摂ると血糖値が乱高下してしまい、血管が傷つき、動脈硬化や心臓病、脳卒中、がんなどの発症のリスクまでも高めてしまうのです。

低血糖症を起こさないためには、基本的には精製された糖質(小麦粉、白砂糖、白米など)を抑えることですが、もし糖質を摂る場合は、GI値の低い食品を選ぶことをお勧めします。例えば、白米ではなく玄米を食べるとか、うどんよりそば(十割)を選ぶ、甘いスイーツやお菓子はサツマイモや果物で代用するなど、急激に血糖値が上がらない食事を心がけることです。

新型コロナは今後、第二波、三波が予測されていますが、コロナ対策だけでなく自然災害を含めて自宅待機や外出規制が続くような場合は、低血糖症に陥らない食事と栄養で心と体の健康を保つようにしてください。

Topics 2020年6月号PDF