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Seminer

抗がん剤治療と出産を愛情と栄養で乗り越える。

Doctor's Column2022.2

一般的に抗がん剤治療には、嘔吐や倦怠感、食欲低下、脱毛など副作用が多くみられます。ところがいざ始まってみると、Kさんは日を追って元気になっていきました。抗がん剤治療は、7月上旬から9月末までの間に4回行いましたが、副作用に苦しむことなく、順調に治療スケジュールを消化していったのです。

なぜでしょうか? 抗がん剤が効いたこともありますが、もうひとつの理由として食事を見直し、徹底した栄養摂取に取り組んだことです。乳がんがわかってから、Kさんに栄養改善を促したのは、医療従事者でもある義母でした。お義母さんは、重い決断をした義娘の意志を尊重し、健康な赤ちゃんを産むためにも必死でKさんをサポートしました。

義娘と一緒に正常分子栄養学講座に参加し、アドバイスを受けました。徹底した糖質制限に塩分管理、オメガミネラル、ビタミンのサプリメントや、ボタラボグリーン、キャロット、ミネラル77を毎日3~5杯補給し続けました。

それまでのKさんは、お世辞にも良いとは言えない食生活を送っていました。夫や子どもの食事は作っていましたが、Kさん自身はお菓子やアイスや甘いものが大好きで、間食でお腹を満たすなど塩分、糖分の多い食事を続けていたそうです。

そんな生活が体に影響しないはずはありません。普段から偏頭痛や足のむくみを覚えたり、体調が優れない日もあったようです。いつしか一人目の子どもの授乳中に「胸にしこりがあるのを感じてずっと不安に思っていた」とも語っています。

お義母さんのサポートを受けながら、必要な栄養素を徹底注入したKさんは、抗がん剤治療が始まるころには「偏頭痛やむくみがなくなり、体調がいい」と気づいたそうです。

体は、予想以上のペースで機能しはじめたのでしょう。なんと抗がん剤治療後の検査で、胸のしこりは消えていたのです。そして10月20日、元気な赤ちゃんを無事、出産するのです。

1ヶ月健診も終わり、医師から「母子ともに健康」と太鼓判を押されたKさんは、改めて正しい食事と栄養の重要性を感じています。治療は今後も続くので気は抜けませんが、Kさんはお義母さんや支えてくださった人びとの愛情に心から感謝しています。

私の栄養スイッチ 2022年2月号PDF