
帯状疱疹は50歳から発症率が高まり、80歳までに3人に1人が発症します。女性に多いと言われていますが、性別・年齢に関係なく誰でもかかり得る病気です。
「なんだかピリピリする…」。そんな違和感から始まるのが、50代以降に発症率が上がると言われている「帯状疱疹」です。実は、日本人の9割以上が子どものころに「水ぼうそう」にかかっており、治った後もそのウイルスは神経の根元(神経節)に潜伏したまま残っています。そして、年齢を重ねて免疫力が低下したタイミングで、この〝眠っていたウイルス〟が再び目を覚まし、帯状疱疹として発症するのです。
更年期以降の体は、ホルモンバランスの変化に加え、睡眠の質の低下やストレスの蓄積、自律神経の乱れといった複数の要因が重なり、免疫機能が揺らぎやすくなっています。勧められている様々なワクチン接種は免疫力に影響を及ぼすので、帯状疱疹を引50代から急増する帯状疱疹き起こすきっかけになる可能性があります。
帯状疱疹の初期症状は、「チクチク」「ピリピリ」とした違和感や皮膚の痛み。最初は疲労や肩こりと勘違いされることも多く、数日後に皮膚に赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れてようやく気づくケースも。ウイルスは神経に沿って炎症を引き起こすため、非常に強い神経痛を伴い、人によってはその痛みが何ヶ月も続く「帯状疱疹後神経痛」に悩まされることもあります。
では、なぜ私たちの体はウイルスに負けてしまうのでしょうか。
その背景にあるのは、免疫力の低下です。ストレス社会ともいわれる現代、心身への負担が続くことで交感神経が優位になり、自律神経のバランスが崩れやすくなっています。夜中に何度も目が覚めたり、疲れが取れにくくなったりしている方は、免疫の司令塔である腸が弱っているサインかもしれません。腸には体全体の免疫細胞の約70%が存在するといわれており、腸内環境が整えば自然と免疫力が整います。
免疫力の低下は高齢者に限った話ではなく、若い方でも帯状疱疹を経験するケースもあります。しかし、日々の小さな積み重ねで免疫力を高めることで、帯状疱疹を予防することは十分に可能です。
免疫力を高めるためにまず意識したいのが、栄養です。現代人は過剰な糖質摂取、精神的ストレス、水質や空気の汚染などが理由で栄養を消耗し、食事での摂取では賄いきれないケースが多いため、栄養の意識的な補給がカギとなります。
ビタミンCは抗酸化作用を持ち、白血球の働きを助けることで、帯状疱疹の発症を防ぎます。また、亜鉛は免疫の第一関門である粘膜を保護すると同時に免疫細胞の増殖にも必須で、マグネシウムはストレスに対抗する体内酵素を支える役割を担います。
腸内環境の改善も忘れてはいけません。砂糖や小麦粉など腸内環境を荒らす食材は摂取を控え、「緑の野菜エキス」など植物由来の栄養補助食品を活用しましょう。
生活習慣の見直しも不可欠です。質の良い睡眠を確保し、副交感神経が優位になる夜の時間を湯船につかる・軽いストレッチを行う・深呼吸を意識するなど、リラックスして過ごすこと。また、冷えも免疫低下を招く大敵です。秋冬に向けて体を内側から温める食材やアイテムの導入も効果的です。
帯状疱疹は、日頃から免疫力を整えていれば、充分に予防できるのです。今日からご自身の免疫ケアに取り組みましょう。